のれんの由来|田中美染株式会社

田中美染株式会社 のれん のぼり 姫路 兵庫県 ターポリン 横断幕

複数の布の上部をぬい合わせ、上端に「乳(ち)」と呼ばれる輪っか状の布をつけたものを「のれん」といいます。「乳」に竹ざおなどを通し、出入り口にかけているお店も多いですよね。よく行く飲食店などで見たことがあるという方もいるのではないでしょうか。

もともとは禅宗の用語で、寒さを防ぐためにかけられた垂れ幕のことを指すのだとか。漢字では「暖簾」と書き、すだれのすき間を覆って暖める目的で使われていたためにこのような表記になったといわれています。発音も最初は「のんれん」だったものがだんだんと変化し、「のうれん」となり現在の「のれん」へと変わったのだそう。

それにつれて用途や目的も少しずつ違うものになっていき、今では飲食店などの店先に吊るされ境界の仕切りを表したり目隠しとしても使われています。と同時にお店にとっては販促ツールとしての役割も大きく、営業中であることを知らせるほか屋号や商号、家紋を染めてアピールするのにも用います。店名が書かれていたり、扱っている商品や食べ物のジャンル、業種が入っているのが一般的なもののようです。

ちなみに戦前には、飲食店や飲み屋さんでお客さんが帰るときに肴をつまんで汚れた手をのれんで拭くという習慣があったとか。そのため、のれんが汚れているお店ほど繁盛している証だったなんてエピソードもあります。今では考えられないお話ですよね。

また、のれんは「店の顔」としての意味合いも持っています。そこから派生してできた「のれん分け」という言葉がありますが、のれんには屋号を記すケースが多いことから「店の信用」をも意味するようになったためなんだそう。従業員や家人に同じ屋号を使って店を出す許可を与えることで、強い信頼とお墨付きであることを表しているんですね。同様に、マイナスな意味で不祥事が原因で店の信用や名声を損なうことを「のれんに傷がつく」、廃業してしまうことを「のれんをたたむ」「暖簾を下ろす」ともいいますよね。

このように、店そのものを表すといっても過言ではない「のれん」。

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