のれんの種類|田中美染株式会社

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のれんは一般的に布製のものが多く、かける場所や用途、丈の寸法によってそれぞれ呼び名がついています。標準的なサイズは昔の「鯨尺」3尺である113cmで、その半分の56cmほどのタイプを「半のれん」、1m60cmくらいのものを「長のれん」としています。ちなみに、半のれんは店内の様子や陳列された商品を見せるためにわざと半分にしたもの。反対に長のれんは出入り口いっぱいにかけることで、目隠しや日差しよけの役割を果たすのだとか。また布丈約40cmと短めのサイズを「水引のれん」といい、店の間口幅いっぱいの軒先に張ります。ほかのタイプののれんは閉店とともに店の中へしまいますが、水引のれんだけは夜間もずっとつけっぱなしにして家印としても活用されていたそうです。

オーソドックスなのれん以外にも、ちょっと変わった種類ののれんをいくつかご紹介しておきましょう。

まずは割れ目がない「日よけのれん」。大風呂敷のような一枚布の上辺下辺に乳をぬい付け、上端を軒先に下部を道路にせり出させて取り付けたものを指します。風にあおられるとバタバタと太鼓を叩くかのような音がすることから、「太鼓のれん」ともいわれるそうです。ちなみにこれは道幅のせまかった京都や大阪ではあまり普及せず、おもに道路の広かった江戸で広く使われていたよう。のれんひとつとっても、仕上げ方法やデザイン、種類などにおいて関西・関東で違うのは面白いですよね。

次は布のれんよりも古い歴史を持つとされる「縄のれん」。カラムシ(イラクサ)をよった縄を横一列に並べてたらしたもので、天保年間には居酒屋の代名詞になっていました。これを店の出入り口にかけると外の明るさと内の暗さを仕切り、ハエよけに効果があったそうなんですね。非常に実用性に優れたのれんだといえます。

ほかにも素材に特徴があるのれんは多彩にあり、ビーズやガラス製・木製の珠をつなげてひもに通した「珠のれん」、竹や管状の貝がらを用いた「管のれん」といったものがあります。

使いみちやかける場所によって名前が変わるものは、店の間と居間や奥との間仕切りとして使われた「座敷のれん」「くぐりのれん」、祭礼時や祝いごとでかける「祭りのれん」、芝居小屋や楽屋でみられた「花のれん(楽屋のれん)」なども知られています。

金沢県・加賀では特にのれんの文化が浸透しており、花嫁が輿入れの際に持参する風習もあるのだとか。上部に実家の紋章を入れ、すそに松竹梅や宝珠をはじめ縁起物の文様を染めたものがメジャーです。絹地、ちりめん地に多色の加賀友禅をあしらった、とても華やかでお祝いにふさわしいのれんだそう。現在でも口能登地方の一部で残っている文化なんですよ。

このように、入れる内容や色、生地、大きさ、使い方によって区別されているのれん。さまざまな工夫を凝らしながら受け継がれ、発展してきたのですね。われわれ「田中美染株式会社」でも、お客さまのニーズをくみ取りながらぴったりののれんづくりをお手伝いしています。完全オーダーメイドの制作をご希望の方は、ぜひお問合せくださいね。

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